どうも群馬のサウナーきじまです。
既に動画をご覧いただいた方もいらっしゃるかもしれませんが、今回は水の硬度が高いと気持ちよくなるという説の検証結果についてお伝え出来ればと思います。
水に関する記事ですが、誰も”見ず“なんて事にならないように頑張ります。
きっかけは加藤先生
私は今まで気持ちいい水風呂(入っていてピリつかない、まろやか系)は水道水なのか、地下水なのかの違いかと盲目的に信じ込んでいて大馬鹿野郎でした。
当然、地下水=正義 みたいな目でサウナイキタイをチェックするわけです。
嫌なやつですね〜
ところが同じ地下水でも、ピリつくやつとまろやかなやつが存在するわけです。
この違いって何なの?と思っていたところ、やってきましたドクターでありサウナ学会代表理事の加藤先生!
実は昨年〜今年の春にかけて群馬県で「サウナ・スパ関連商品等開発支援事業」なるものがございまして、要は地元企業×地元大学生×地元のそこら辺の人 でサウナや温泉に関する新商品を作りましょうというビジコンみたいものです。
私も仲のいいサウナ好き2人と一緒に興味本位で申し込んでみました。
私が振り分けられたチームは高崎経済大学の起業サークルの方々と、ウレタンを加工する諏訪コーポレーションのチームでした。
残念ながらウレタンという素材自体が水や熱に弱いという性質があり、そもそもサウナ・スパに適していないという詰みゲーになってしまい、商品開発までには至らなかった(正確にはほぼ出来上がったけどリリースはしない方が良いという判断)ですが、Z世代とサウナで過ごした日々は忘れません。みんないい子たちだったな〜!
万里の長城くらい話が長くなりそうなのでこの辺でまとめると、その成果報告会で各チームが商品開発のプレゼンをし、最後にゲストとして加藤先生が医学的な観点からサウナを解説してくださるという何とも貴重なシーンがありました。
※ちなみに加藤先生は富岡市出身なんだぜ〜我らの誇りだ。
私は仕事で当日行けませんでしたが、同じチームのレンさん(以前YouTubeでもご紹介した凝りすぎ庭サウナ師)が出席していて、その内容を後日教えてくれました。
なぜ硬度が影響?
で、ここからが本題ですが、その時加藤先生曰く
なるほど!そういう理屈だったのかーーーと水風呂の神様にぶん殴られた気持ちになりました。
とここでふと思った。
日本の水道水はほぼ軟水。
水の硬度を人為的に上げる事が出来れば、家庭用のサウナでも気持ちいい水風呂に入れるのでは?
辿り着いたのはエビの世界
ネットで水の硬度を上げる方法を調べまくっていたところ、とあるサイトに辿り着きました。
その名も「ミニマブリーダーシラクラ」
熱帯魚の世界では、軟水じゃないと生きられない魚が多く、常に軟水をキープ出来るよう色々な薬剤が売られているようでした。
しかし我々サウナーが求めているのは硬水です。
そんな中、この白倉さんはレッドビーシュリンプという観賞用のエビの専門店として、様々なエビデンスを持ちながら(海老だけに)日々研究されているわけですが、なんと
エビは硬度が低いと脱皮不全を起こす
らしい。キターーーーー俺たちと同じ悩み!?
で、この白倉さんのお店では水の硬度を上げる為の粉末や液体を販売されていまして、勇気を振り絞ってメールを送ってみました。
「水風呂に入れたいんですけど、人体に害はありませんか?」と笑
この後白倉さんとは大盛り上がりで、今もなお文通中です。Gmailで。
そこで白倉さんが教えてくださったのがニガリです。
なるほど、ニガリって簡単に言うと”海水から塩分を抜いた余りの水”なので、硬度高そう!
ちなみに硬度の中身ってなんぞやって感じだと思うのですが、
水中に含まれるカルシウム・マグネシウムの量が多い=硬水
〃 少ない=軟水
という定義のようです。
詳しくはこちらを
身近なもので言うと食塩の中にもマグネシウムが含まれています。
そしてにがりの主成分はマグネシウムです。
詳しくはこちらを
心の広い白倉さん、私白倉さんから何も購入していないのに、こんな有益情報だけを自ら教えてくださり、本当に感謝しかないです。私は完全なるtakerになってしまいました。海老の神様にぶん殴られたいです。
いざ実験
さてそんなこんなで加藤先生と白倉さんの知恵をお借りして、レンさんの庭サウナにて実験をさせていただく事に。
用意したのはこちら
全て検索の鬼、レンさんがチョイスしてくださいました。
なぜ急にpH(ペーハー)が出てきたかと言うと、硬度が高くて気持ちのいい水風呂は得てしてpHも高い傾向があり、アルカリが強くなると肌表面を溶かしてよりまろやかに感じているのではないか(所謂美人の湯系)という仮説の元、メンバーに入ってもらいました。
今回、硬度をどの単位で測っていくかと言うと、PPMという値です。
一般的に硬度はPPMで表されるのですが、細かな事を言うと液体の微量な濃度を100万分の一で表すので、1ppm=0.0001%だそうです。
詳しくはこちらを。
ちなみに以前取材させていただいたFujioka BASEリバーサイドのインスタでこんな画像を見かけました。
ちなみに
富山のスパアルプスは67
船橋のジートピアは92
これだけでも傾向が見えてきますよね。
狙うは100前後です。
浸透圧は低いところから高いところへ移動しようとする性質があるそうです。
つまり汗をかいた状態(中硬水)で超軟水に入ると、水風呂が体に染み込んでくる状態になり
逆に汗をかいた状態(中硬水)から超硬水の水風呂に入ると、肌が水風呂に引っ張られるような状態になり
結果、ピリついたり温度以上にキンキンする感覚が生まれるようです。
だから浸透圧が揃うと出入りがなくなってまろやかに感じるようです。
加藤先生そこにたどり着くって凄すぎ…
硬度を測るパックテストでは、まず水道水を測ってそもそもこのパックテスト自体が正しい数値がちゃんと出るのかを確認。(レンさん案)
レンさんの住む地域の水道水はppm50前後なのでOKですね。
ちなみにこのパックテストだと正確な数字までは分からないので、自前の測定器を使ったらおおむね合っていたので、そちらも併用して測りました。
pHも試験紙を使い、水道水の時と
アルカリ系入浴剤を入れた状態で比べたところ
ちゃんと上がった〜嬉しい!
ちなみにあんな小さいにがりを一本丸々入れただけで、161までいっちゃったので水道水で薄めて118まで戻しました(笑)
結果発表
端的に言いますと、やはり体感としても変わりました。
そして最終的ににがりを投入した水風呂にアルカリ系入浴剤もぶち込んだら、更に良くなった気がします(完全主観)
ただ、PPMが低くてもまろやかに感じる水風呂が存在する事も確かで、必ずしもPPM=硬度 ではない可能性も十分にありそうなのがまた面白いところ。
詳しくは動画をご覧ください(最後急に雑
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
きじま